診療報酬はいくら?

過去に行われた診療報酬改定で、訪問歯科の対象者や診療点数の見直しが行われました。改定前と改定後ではどのように変わったのでしょうか?改定前・改定後の違いや訪問歯科の報酬加算で多い点数項目をまとめています。

訪問歯科の診療報酬について~その1~

こちらの項目では、平成24年に行われた診療報酬の改定についてご紹介します。

診療歯科対象者

対象者の表現の見直しがされました。改定後では「常時寝たきりの状態」の表現がなくなっています。

改定前

「常時寝たきりの状態」で在宅での療養を行なっており、疾病・傷病などで受診が困難な人が対象者です。

改定後

在宅療養をしている人で、通院での歯科治療が難しい人が対象です。

在宅患者等急性歯科疾患対応加算

治療に必要な切除用の器具を携行していた場合の加算です。

改定前

同一初診期間中、1回目は232点・2回目以降は90点の点数加算となります。

改定後

同一建物住居者で同じ日に診察をした人、5人以下だと85点・6人以上で50点です。住居者以外は170点が加算されます。

訪問歯科診療料の評価点数の引き上げ

同一建物居住者以外に対して歯科訪問をした際の「歯科訪問診療1」の点数が、830点から850点へ上がりました。

歯科訪問診療補助加算の新設

歯科衛生士による歯科訪問診療の補助に関しての評価です。同一建物居住者以外は110点・同一建物居住者なら45点となっています。

訪問歯科の診療報酬改定について~その2~

こちらの項目では平成28年に行われた診療報酬改定についてご紹介します。

見直された歯科訪問診療料の加算

これまで100分の50に相当する点数加算がされていた診療項目が見直されて、以下のようになりました。

100分の30に相当

  • 抜髄、感染根幹処置(単根管、2根管)
  • 歯肉膿瘍といった口腔内の消炎手術

100分の50に相当

  • 抜髄、感染根幹処置(3根管以上)
  • 乳歯、前歯、臼歯の抜歯手術

100分の70に相当

  • 有床義歯修理

在宅医療専門の医療機関の開設

基本は在宅での治療が必要な患者に対して、外来での処置が必要と判断された場合に対応する専門機関の開設が決まりました。条件として以下が挙げられます。

  • 診療地域内に2ヶ所以上の協力医療機関がある
  • 在宅医療導入に随時応じることができる、設備や人員が整っている
  • 往診や訪問診療を要請された場合、医学的な正当な理由なく断らないこと
  • 緊急時に限らず、つねに連絡が取れる体制であること

在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料

腔機能の低下や摂食機能障害がある患者に対して行われた治療に関しての評価が新しく追加されました。

  • 10歯未満:350点
  • 10歯以上20歯未満:450点
  • 20歯以上:550点

在宅かかりつけ歯科診療所加算の施設基準見直し

施設基準の見直しと名称が「在宅歯科医療推進加算」に変更となりました。歯科診療所であり、直近3ヶ月の歯科訪問診療実績が月5人以上で、そのうち6割以上(改定前は8割以上)が「歯科訪問診療1」を算定していることが加算の対象となります。

複数の患者に対する訪問歯科診療の適正化

同じ建物に住んでいる複数の患者へ訪問診療を行なう場合の「歯科訪問診療3」が120点(改定前は143点)に見直されました。

外来と訪問の診療報酬は変わる?

治療する内容によって多少違いがでてきますが、外来と訪問歯科で同じ治療を行なったとしたら外来と比べて訪問歯科の方が約3倍も診療報酬が変わります。なかでも多い義歯不適合による義歯の修理を行なう場合は4倍近く高くなることもあるのです。訪問歯科で1人の患者を診ると、外来で4人の患者を診るのと同じ計算になります。

訪問歯科で算定することが多い点数項目

医療保険

  1. 歯科訪問診療料
  2. 歯科訪問診療補助加算
  3. 在宅患者等急性歯科疾患対応加算
  4. 在宅歯科医療推進加算
  5. 歯科訪問診療料を算定した際の特定の点数への加算
  6. 著しく歯科診療が困難な者の特掲診療料にかかる加算
  7. 歯科訪問診療時の歯科診療導入加算
  8. 歯科訪問診療時の歯科診療特別対応加算
  9. 診療時間加算
  10. 緊急歯科訪問診療加算
  11. 地域医療連携体制加算
  12. 訪問歯科衛生指導料
  13. 歯科疾患在宅療養管理料
    • 文書提供加算
    • 栄養サポートチーム連携加算
  14. 在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料
    • かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所加算
    • 在宅療養支援歯科診療所加算
  15. 在宅患者連携指導料
  16. 在宅患者緊急時等カンファレンス料
  17. 診療情報提供料
  18. 退院時共同指導料1・2
  19. 摂食機能療法

介護保険

  1. 歯科医師居宅療養管理料1・2
  2. 歯科衛生士等居宅療養管理料1・2
  3. 歯科医師介護予防居宅療養管理指導1・2
  4. 歯科衛生士等介護予防居宅療養管理指導1・2

※引用元:一般社団法人日本訪問歯科協会

採算を取るための見極めポイントは?

医院の状況や診療を行なうエリアによって、採算性が異なってきます。訪問診療を始めることで、医院自体の収入が下がると考えられるのは移動距離の長さです。

訪問エリアは16km圏内で約20分の移動が目安。16kmを超えてしまうと保険申請の対象外となってしまいます。より具体的な計算を出すなら、医師の1時間あたりの賃金と過去の医院を訪れた総外来時間・延べ患者数を算出してみるとよいでしょう。

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