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歯科医院の開業・経営にかかるリスクとは?

歯科医院を開業する場合、気になるのが開業・経営にかかるリスクのこと。予めリスクについて知っておかないと、いざ経営を始めた際に上手くいかなくて悩んでしまうかもしれません。こちらでは歯科医院の開業・経営にかかるリスクについて紹介します。

競争相手が多い

歯科医院を経営するうえで知っておきたいリスクの一つが、競争相手が多いこと。厚生労働省が公表している「医療施設動態調査」によると、平成31年1月の歯科診療所数は68, 477施設。同年3月時点の主要コンビニ7社の店舗数が55,831なので、歯科医院はコンビニよりも多いということになります。

道を歩けばいたるところにコンビニがあり、ほど近い距離に複数の店舗が立ち並んでいる光景をよく見かけるでしょう。それと同じことが歯科医院にも起こっているのです。歯科医院が多いことは患者さんにとって選択肢が増えてメリットかもしれませんが、歯科医院としては限られた数の患者さんを取り合うことになります。人気医院とそうではない医院に分かれるのは当然のことで、後者の場合、経営が成り立たなくなってしまうことも。

実際、歯科医院の倒産件数はここ数年で急増していると言われています。歯科医の高齢化や後継者がいないといった理由に加え、同業者同士の競争が激化していることも影響していることは間違いないでしょう。

歯科医院の需要問題

国内の人口が少子高齢化で減少傾向にある中、歯科医師の数は今後もしばらく増え続けると予想されています。つまり、歯科治療を求める患者さんが減るにも関わらず、競争相手の歯科医院はますます増えるということであり、歯科医院の需要と供給のバランスは今以上に偏ることになります。開業して数十年経営を続けるとなると、将来的に患者さんが減少するリスクは考慮しておかなければいけないでしょう。

毎日患者さんが来るとはかぎらない

開業して事業を始めるうえで、一番の不安事は仕事が入らないことでしょう。歯科医院においても同じことが言え、毎日スムーズに患者さんが来てくれるとはかぎりません。患者さんが来なければ当然売上も伸びないので、医院の経営は苦しいものになってしまいます。

患者さんが来ない理由はさまざまですが、一つは先述したように他の歯科医院に患者さんを取られてしまっていることが考えられます。駅チカやショッピングセンターなどの大型複合施設にある歯科医院ならともかく、地域密着型の歯科医院の場合はそもそもの患者さんの数が多くありません。集客力が乏しい立地のうえに複数の歯科医院があると、患者さんを獲得するのが難しくなってしまうでしょう。

開業後、なかなか患者さんが増えない場合は単に認知度が低い可能性があります。ウェブサイトや広告による集客方法を工夫することで、改善されるかもしれません。リピート率が極端に低い場合は費用設定や診察内容など問題点を探し出し、見直す必要があるでしょう。

保険外の診療にかかる費用設定

歯科治療は保険内と保険外の2種類に分けられます。保険内治療は診療報酬に拘束されるため、歯科医院の報酬がそれほど変わることはありません。一方、保険外治療は患者さんが全額負担することになっており、医院側が自由に費用設定を行えます。つまり、保険内だけでなく、保険外治療もできたほうが歯科医院としては高い報酬を得られるのです。

集客の視点で考えても、保険内と保険外の両方の治療を行えるほうが好ましいといえます。質の高い保険外治療メニューが揃っていることは患者さんへのアピールポイントとなり、他の歯科医院との差別化を図るうえでも有効です。

ただし、保険外治療の費用を高めに設定し過ぎるのはNG。金儲け主義の医院だと思われ、患者さんの足が遠のいてしまうかもしれません。かと言って、それなりの報酬を得られる費用設定にしなければ、ビジネスモデルとして確立しないでしょう。保険外治療については相場を調べ、適切な費用設定を心がけましょう。

運転資金の確保

歯科医院を開業する場合、開業資金だけでなく、運転資金の確保も念頭に置いておく必要があります。

どんな事業にも言えることですが、開業してすぐに千客万来というわけにはいかないでしょう。歯科医院も例に漏れず、数ヶ月間は十分な収入を得られないことが考えられます。患者さんが少なく、さらに保険治療の診療報酬も支払われるまでに長い時間がかかってしまうのが難点。大した収入がないにも関わらず、家賃や光熱費といった固定費を支払わなければいけないのは大きな負担になるでしょう。このように経営が軌道に乗るまでに必要な資金が運転資金であり、開業の際には開業資金とともに運転資金を確保しておくことが重要になります。

多額の借金

開業歯科医の年収は人によってばらつきがありますが、平均年収はおおよそ1,200万円とされます。一般的な会社員と比べるとかなり高い年収のように感じますが、開業のために多額の借金を抱えている歯科医も少なくありません

歯科医院を開業する場合、テナントの家賃や敷金礼金、保証金、医院の内装工事、医療機器の購入などさまざまな費用がかかり、それらの開業資金は約3,500万円。先述したように、開業して数ヶ月間は安定した収入を得られず、預金を取り崩しながらの経営になるため、運転資金も1,000万円ほど用意しなければいけません。開業資金と運転資金を合わせると、歯科医院を開業するためには4,500万円ものお金が必要になります。

たとえ1,200万円の年収があったとしても、多額の借金を返済しなければいけないとなると、余裕があるとは言えないでしょう。仮に土地や家を買ってローンを組む場合、歯科医院の開業資金と合わせてトータル1億円もの借金を抱えることになってしまいます。

経営ノウハウがない

開業歯科医として成功するためには、歯科医師としての知識と腕前が必要なことはもちろん、経営ノウハウも欠かせません。しかし、開業を考えている歯科医は経営についてシロウトである場合がほとんど。実際のところ、腕前に自信のある歯科医が開業したものの、経営が上手くいかなくて行き詰まってしまうことが少なくないのです。

たとえば、開業資金の調達から始まり、その後の資金繰りをどのように行うべきかということは安定した経営を行うために必ずついて回ります。収入を上げるためには患者さんを増やすことが必要不可欠であり、集客活動に力を入れたり、立地上の問題がある場合は移転するといった対策を考えなければいけません。

また、歯科医院を開業する場合、衛生士や歯科助手といった従業員を雇う必要も出てきます。患者さんにとっては歯科医師だけでなく、従業員の質も歯科医院を選ぶうえで無視できないポイントです。医院の評価に関わることなので、どのように従業員を採用・教育すべきかという点は非常に重要と言えるでしょう。

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